鉄骨階段を上っていた。
縞鋼板の段板に せみ 
なんと この台風の中 地上に出てきたのか。
1段飛ばしで ゆっくりと 階段を上がった。




ドアを開いて 階段を降りはじめた その時
せわしなく 飛び立った。
おっ まだいたのか。

せみの飛行の先に 電信柱があり 頂上に黒いものがうごめいた。
カラスがとびたとうとして 羽をひろげた。
口も 広げた。赤い。
大きくあけた赤い中に 飛び込んで行った。

身をひるがえして カラスが飛んで行きました。